2012/12/18

これからのAndroidアプリはxhdpiとhdpi

今まではアプリの画像リソースを用意する時は、hdpiをメインに余力があれば、mdpiも用意するというのが主流でしたが、Android4.0以上の端末がたくさん発売されて、それにともない、高解像度の端末も増えてきました。

公式の情報によると2012年12月3日時点でldpiが約2%、mdpiが約18%、hdpiが約51%、xhdpiが約29%になっています。
これからはldpi、mdpiの端末が減っていき、xhdpiの端末が増えていくはずなので、画像リソースはhdpi、xhdpi用の2種類を用意するのがよさそうです。

xhdpiの端末でもhdpiの画像リソースがあれば、表示されるようになっていますが、表示する上で問題があります。

わざとhdpiにだけ画像をおいて、試してみます。
今回はAndroidのマーク(280x280の大きさ)の画像を用いました。
左が、hdpiで、右がxhdpiのキャプチャー画像です。


見た目の大きさを同じにするためにxhdpiの端末では画像がシステムによって拡大されています。
拡大するということは、画面に描画する際に画像処理が入るので、バッテリーとメモリを消費することになります。
今回のテストでは、画像が一つなので、あまり問題ありませんが、アプリをフルデザインしていると、アプリが強制終了する原因にもなります。

最近はアプリのデザイン自体は1280x720(xhdpi)で作ることが理想的(詳細は「デザイナーがコードから読み解く、Androidアプリのデザインの幅を広げるコツとTips」)なのですが、その大きさで作った画像素材を何も考えずにhdpiに入れて実装し、苦労してレイアウトを調整(viewのサイズをハードコーディングしたり)して、作ってたことがありました。そのアプリは、リリース後、リソースが見つからないなどのバグ報告がちょこちょこ上がってきていました。

そしてリソース画像の用意ですが、デザイナーさんがxhdpiとhdpiの2種類を用意してくれる時はそれでいいのですが、1280x720でデザインして、プログラマーのもとにやってくるのはxhdpi用の画像だけという場合があります。
自分が関わっているプロジェクトでも、xhdpi用の画像だけしか渡されませんでした。

なのでこちらですべての画像をリサイズしなければいけませんでした。

自分が画像をリサイズする際に、一つ一つ変換するのはとてもめんどくさかったので、macに標準で入っているAutomatorを使いました。

Windowsで開発されている方は、画像を一括変換できるフリーソフトがあると思うので、そちらを使ってください。

Automatorはあまり複雑なことはできませんが、単純な作業を任せるのに向いているので、まだ使ったことない人は色々ためしてみるといいですよ。

今回はxhdpiの画像をhdpiの画像に変換するための使い方を紹介します。
mdpiを1とした時に、hdpiは1.5、xhdpiは2の割合なので、xhdpiの画像を75%にしたものがhdpiの画像になります。

その作業をAutomatorでやってみます。
  1. まずは、変換作業に使うフォルダを作ります。どこでもいいので「xhdpi」と「hdpi」のフォルダをつくり「xhdpi」に画像リソースをすべて入れます。
  2. Automatorを起動し、「ワークフロー」を選択します。
  3. 左のメニューから「ファイルとフォルダ」→「Finder項目を検索」を選び、右のスペースにドラッグ&ドロップします。
  4. 「Finder項目を検索」の詳細を設定します。検索を「xhdpi」にして、「ファイル拡張子」が「png」「である」に設定します。
  5. 左のメニューから「写真」→「イメージをサイズ調整」を選び、右のスペースの「Finder項目を検索」の下にドラッグ&ドロップします。
  6. 途中「Finder項目のコピー」を追加するかどうかのダイアログが表示されるので、「追加」を選択します。
  7. 「Finder項目をコピー」の保存先を「hdpi」に設定します。
  8. 「イメージサイズを調整」で「比率(パーセント)指定」「75」に設定します。

上記の手順でxhdpiの画像からhdpiの画像を複製するワークフローの完成です。
あとは右上の「実行」ボタンをクリックすれば、処理が走って、すべての画像を複製してくれます。Automator便利!
xhdpiとhdpiで同じ名前の画像ファイルができるので、Androidプロジェクトのresフォルダにそのまま入れて大丈夫です。

2012/12/02

海外のサイトにレビュー依頼してみた。

本エントリーはAndroid Advent Calendar 2012の12/2裏エントリーです。

12/2の表エントリーは@rkisatoさんの「NOT専門家向け・Android一問一答」です。そちらもあわせて御覧ください。

今回はAndroidアプリを海外に向けて宣伝するために海外のレビューサイトに記事掲載依頼をしたのでそのレポートという形式になっています。

個人で作っているデベロッパーさん、また会社でアプリを作っている企業さんで海外に向けて宣伝したい人は参考になると思われます。

このエントリーを見ている人は個人でAndroidアプリを作ったことがあったり、会社でAndroidやってる人だと思います。

どうせなら、自分が作った、もしくは製作に関わったアプリはできるだけ多くのユーザに使ってもらいたいですよね。

現在、アプリを宣伝する方法は次のようにいろいろあります。

レビューサイト

OCTOBAさんとかAndroiderさんとかに依頼してレビュー記事を掲載してもらいます。
依頼して確実に掲載されるわけではないですが、無料です。

プレスリリースを打つ

個人のデベロッパーさんはなかなか打つのは難しいと思います。無料のもありますが無料のはそんなに効果ないです。

アドネットワーク

デベロッパーコンソールで「このアプリを宣伝する」ってやつですね。AdMobのバナーを通して、Androidユーザに向けて宣伝できます。以前5000円ぐらい突っ込んだことがありますが、一瞬でなくなって効果もあんまりなかったです。

成果報酬型広告(リワード広告とか)

成果報酬型の広告です。だいたい1DLあたり200~350円ぐらいが相場のようです。

この他にもいろいろ宣伝する方法はあるかと思いますが、たいていは多くのお金がかかるものです。(記事広告など)

比較的大きな会社や、お金が余ってるところなら、成果報酬型の広告とか記事広告とか売ってバンバンDL稼ぐこともできるかもしれませんが、僕のような個人デベロッパーには無理な話です。

そうなると、個人のデベロッパーはレビュー記事ぐらいしかありません。

日本のアプリレビューサイトへの依頼はすでにやってるよって方も多いかもしれませんが、海外のレビューサイトってなると、なかなかやっていない方も多いんじゃないでしょうか。

やらない理由としては2つの理由があると思います。
  1. どのサイトにレビュー依頼したらいいのかわからない。
  2. 英語が得意ではないので依頼の英文が書けない。
1.については英語のレビューサイトをまとめた資料がSlideShareに上がっているのでそちらを利用します。

2.については、僕も英文を書くとか全くできないので、格安で日本語を各言語に翻訳してくれるWebサービス「gengo」を使いました。


10月末ごろに、制作したランチャーアプリ「FlipLauncher」のレビュー記事依頼を海外のレビューサイトにお願いしたのでその流れと結果です。
(FlipLauncherのローカライズは英語だけ行なっています。)

まず、レビュー記事をお願いする英文を「gengo」で作成します。
gengo」は会員登録する必要がありますが、facebookのアカウントやgoogleのアカウントでもOKなので、開発用のアカウントですませばいいと思います。

gengoは翻訳にグレードが4つあります。

スタンダード
ネイティブスピーカーによる迅速かつ確かな翻訳

ビジネス
一般公開用および正式な用途に、さらにレベルの高い翻訳を

ウルトラ
最高のクオリティをお求めの方に、ビジネスレベルの翻訳+校正を

専門分野
専門分野のスペシャリストによる翻訳

レビュー記事の掲載依頼なのでスタンダードで十分だと思います。

で、スタンダードで訳しました。

日本文(1行目は件名として)
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Androidアプリ[[[FlipLauncher]]]のレビューのお願い

こんにちは。

私は日本のAndroidアプリ開発者です。

サイトにレビュー記事を載せて頂きたく連絡しました。

レビュー記事に取り上げていただきたいアプリは以下です。

アプリ名:
[[[FlipLauncher]]]

アプリURL:
[[[https://play.google.com/store/apps/details?id=com.andcreate.app.fliplauncher]]]

アプリ概要:
[[[ ]]]

ユーザの使いやすさを第一に考えて作ったアプリです。

よろしくお願いします。
=======================================================

この日本文がこうなります。

gengo」で英訳された文
=======================================================
A request for a review of the android application [[[FlipLauncher]]]

Hello.

I am a Japanese android application developer.

I have contacted you to ask if our site could publish a review article.

The application I would like you to review is listed below.

Application name:
[[[FlipLauncher]]]

Application URL:
[[[https://play.google.com/store/apps/details?id=com.andcreate.app.fliplauncher]]]

Application outline:
[[[ ]]]

This is an application designed with ease of use in mind.

Thank you for your consideration.

=======================================================

英語に翻訳してほしくない箇所、翻訳する必要のない箇所は[[[ ]]]で囲めば翻訳されません。

この英訳を依頼してから、1時間ぐらいで英訳された文章が提案されてきました。修正して欲しい箇所がある場合は部分的に修正依頼することもできます。
この文章でかかった翻訳料金は351円でした。

アプリ概要の部分には、予め英訳しているGoogle Play のアプリ紹介文のところをそのまま突っ込みます。

アプリ紹介文の方は日本語419文字で翻訳料金1089円でした。

で英訳した文章をもとに各英語レビューサイトに依頼していきます。

まずは乗っている全メールアドレスにメールしていきます。

自分がやったときは一件一件クリックしてメーラーが立ち上がったり、リンクが無効だったりで大変めんどうだったので、コピーや手打ちでメールアドレスを持ってきてBCCでメールを送信しました。

メールアドレスはまとめてあるので使いたい人は「ここ」からどうぞ。
(いくつかエラーメールがかえってきました。すでに無効のメールアドレスもいくつかあるようです。)

次に、乗っているリンクをたどってフォーム上でレビューの依頼をしていきます。
「inquiry」をクリックするとそれぞれのサイトの申請フォームに直接飛ぶので必要事項を入力してポストします。(結構大変です)

大体どのフォームも氏名、メールアドレス、件名、本文なので、一時的にどこかにメモっておいてひたすらコピペしました。

以上で申請作業は終わりです。「FlipLauncher」のときは10/29日のお昼ぐらいにやりました。

ここから今まででどれくらい効果があったかを見てみます。

紹介されたサイト一覧

Android Police 10/29

smartdroid 10/29

noticias android 10/29

Android Spin 10/29

gizmode australia (list-up) 10/30

Android apps olicious 10/30

Droid LIFE 10/31

your life updated 11/01

letsgodroid 11/01

Android Headlines (list-up) 11/01

AndroidVZLA 11/02

makeuseof 11/03

一番早いところで、お昼に出したものが夜の9時ごろに紹介されてました。
それから続々といろんなサイトに取り上げてもらえて確認できているぶんで12サイトでした。

ゲームアプリレビューサイトを除く80サイトぐらいに依頼を出したので、打率は15%ぐらいです。今回のアプリがランチャーアプリだったので、もっと一般的なツールやゲームアプリだともっと取り上げてくれるかもしれません。

次にダウンロードの推移がどの程度変化したかを示します。
(図の赤線は2012/10/29を表しています。)


海外でレビュー記事が紹介されはじめたところからダウンロード数が増加しています。

そして、12/2現在で確認できる統計での総ダウンロード数は下図になります。



日本以外の合計は約19000インストールなのでかなり効果があったことがわかります。

今では1日の海外のダウンロード数も大分下がってきましたが、それでも一日平均100DLぐらいあります。海外のレビュー記事が掲載される前は一日平均5DLぐらいでした。

掛かったのは翻訳料金の約1500円と掲載依頼作業2時間ほどなので、海外ユーザにも使って欲しいアプリを作っている人は十分やる価値はあるとおもいます。

掲載依頼したところから「俺のところは今一日50件以上の依頼が来るから全てに対応するのは難しいんだよ。30ドルくれたら、優先してトップにレビュー記事掲載してあげるよ」みないな英文のメールが幾つかきてましたが、やりませんでした。それもやるともっとDL数が伸びるかもしれません。